iOSで実機にアプリを転送してテストする方法

最近周りでiOSアプリの開発に手を出す方々が増えてきたので自分の備忘録も兼ねてまとめておきます。

今更感が若干ありますが。。。

注意点

  • ブラウザで行う作業はすべてSafariで行った方が無難です。Safari以外だと証明書の発行等がうまく動かずコケる可能性があります。

  • この記事は2013年12月現在のものです。今後若干手順が変わる可能性があります。

環境

今回は以下の環境で作業を行っています。

実機転送方法手順

全体としては以下の様な流れになります。

  1. iOS Developer Programへの登録

  2. Apple Developer Centerへログイン

  3. 証明書の作成

  4. CSRファイルの作成

  5. CSRファイルのアップロード

  6. 生成された証明書のダウンロード

  7. テスト端末の登録

  8. テストアプリのApp ID登録

  9. プロビジョニングファイルの作成

  10. Xcodeへの設定

  11. 実機への転送

それでは手順を説明していきます。

1. iOS Developer Programへの登録

ここでは細かい登録方法は省きます。(参考になる情報が山ほどあるので。)

以下の記事が参考になるかと思います。こちらを参考にして登録しましょう。

※個人的には普段使うAppleIDと開発用のAppleIDは分けることをお勧めします。iOS Developer Program登録の際は全て英語で記入しないとうまくいきません。一方で、iTunesでの購入などでは日本語設定であることが必要です。そのためIDを分けて管理した方が良いです。

どうしても登録できずにはまった場合はAppleのサポートセンターに電話しましょう。日本の番号にかければ日本語で対応してくれます。

※ちなみに私は自分の開発用のアカウントを忘れてしまいサポートの方に大変ご迷惑をお掛けしてしまいました。。。そして、サポートセンターの方の親切さに感動しました。

2. Apple Developer Centerへログイン

Apple Developer Centerへログインします。

上のメニューからメンバーセンターをクリックします。

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3 証明書の作成

メンバーセンターに入るとこのような画面になるので「Certificates,Identifiers & Profiles」をクリックする。

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次に「iOS Apps」の「Certificates」をクリックする。

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そうすると、こんな画面になります。何もまだ証明書が無いときはこんな感じで表示されます。既に色々と作成してある場合は一覧がでます。右上の「+」ボタンを押します。

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必要な証明書の種類を選択してContinueボタンを押します。今回は実機でのデバッグを行いたいので「iOS App Development」を選択します。

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そうすると、このような画面が出ます。ここの説明にあるようにCSRファイルを作成します。

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4. CSRファイルの作成

さて、ここからはローカルのMac上で作業を行うことになります。

キーチェーンアクセスを開きます。(アプリケーション>ユーティリティの中にあります。)

メニューから、キーチェーンアクセス>証明書アシスタント>認証局に証明書を要求..と開き、以下のように値を入力、選択します。

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続けるを押すと、保存場所を聞かれるので、任意の場所を選択します。

その後、以下の画面となりますが、デフォルトのままで、続けるを押します。

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そうすると以下の画面が表示され、先ほど指定した保存先に、「CertificateSigningRequest.certSigningRequest」というファイルができているはずです。

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5. CSRファイルのアップロード

再びブラウザに戻ります。

CSRファイルをアップロードするように言われるので、先ほど作成して保存した「CertificateSigningRequest.certSigningRequest」を指定します。

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指定したら、Generateボタンを押します。

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6. 生成された証明書のダウンロード

こんなかんじで証明書をダウンロードできるようになるので、こいつをダウンロードします。

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ダウンロードした証明書(.cer)をダブルクリックするとキーチェーンに登録されます。キーチェーンを開いて確認してみて下さい。以下のように登録されているはずです。

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7. テスト端末の登録

ここまで来たらやっとデバイスの登録です。

Xcodeを開いてOrganizerを開きます。(Xcodeメニューから、Window > Organizer)

画面上の「Identifier」をコピーします。

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ここからまたブラウザ上での作業になります。Developer Centerで今度はDevicesをクリックします。

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こんな画面になると思うので右上の「+」ボタンを押します。

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以下のような画面になるので項目を入力して「Continue」をクリックします。

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確認画面が出るので問題なかったら「Register」をクリックします。

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完了画面が出たらOKです。

再度一覧を見ると先ほど登録したデバイスが表示されているかと思います。

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他にもデバイスを追加したい場合は「+」を押して同じ手順でデバイスを追加していって下さい。

8. テストアプリのApp ID登録

Developer Centerで今度はIdentifiersを選択してApp IDを登録します。例のごとく右上の「+」ボタンをクリックして下さい。

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以下のような画面が出るので必要な情報を登録します。私は以下のように設定しています。

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ポイントは、

  • 「App ID Description」は任意の名前でOKです。普通はアプリケーションごとに作ったほうが良いです。私の場合ズボラなのでbraitomDevという名前にして開発用には使い回してます。

  • 「App ID Prefix」は個人の場合はデフォルトのまま変更できません。企業でチーム作っている場合は何か設定できるはず。

  • 「App ID Suffix」は「Explicit App ID」と「Wildcard App ID」の2種類ありますが、他のアプリと被らないようにどちらかだけ入力すればOKです。公開予定の明確なアプリの場合は「Explicit App ID」を使うほうが良いかと思います。テスト用でとりあえずの場合は「Wildcard App ID」で良いかと思います。私の場合は「jp.co.braitom.*」としてしまっています。

  • 「App Services」の部分はPushなど何か使いたいサービスがあればチェックを入れます。

これで「Continue」ボタンを押すと確認画面がでるので、「Submit」ボタンを押せば登録完了です。

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9. プロビジョニングファイルの作成

次にプロビジョニングファイルを作成します。いろいろ作るものがあってそろそろダルくなってきたと思いますがこれで最後です。頑張りましょう。

例のごとく今度は、「Provisioning Profiles」を選択して、右上の「+」ボタンを押します。

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開発用に使いたいので、「Decelopment」の「iOS App Development」を選択して「Continue」をクリックします。

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App IDを選択して、「Continue」をクリックします。

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作成した証明書にチェックを入れて、「Continue」をクリックします。

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デバイスにチェックを入れて、「Continue」をクリックします。(複数デバイスの場合は複数チェックできます)

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Profile Nameは任意でOKです。入力したら「Generate」をクリックします。

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生成されたプロビジョニングファイルをダウンロードします。

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ここで、実機をMacに接続しておきましょう。

ダウンロードしたプロビジョニングファイルをダブルクリックするとXcodeのOrganizerに追加されていることが確認できます。StatusがちゃんとValid profileになっていればOKです。

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10. Xcodeへの設定

さあ、ここまで来ればもう少しです。頑張りましょう!

Xcodeでプロジェクトを開きます。以下の手順でプロビジョニングファイルを設定します。

  1. プロジェクトをクリックします。

  2. Build Settingsを選択します。

  3. Allを選択します。

  4. Code Signingの各項目に先ほど作成した証明書、プロビジョニングファイルを選択します。

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11. 実機への転送

さあ、いよいよ実機への転送です。実機をMacに接続しましょう。

Xcode上の以下の部分をクリックして、接続している実機を選択しましょう。ここではiPhone5Sを選択しています。

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これでいよいよ実行です、XcodeでRunしましょう。▶ボタンを押せばOKです。

最初はもしかしたらこんな画面がでるかもしれませんがEnableを押して、パスワードを入力すればOKです。

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こんな感じで無事に実機上で動作させることができました!

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以上、めでたしめでたし。

おまけ: 他のMacでも実機デバッグしたい場合

Apple大好きのエンジニアの皆様はもちろんMac複数台持っていますよね?そんな時にはメインのMacから証明書を書き出してそれを使うということができます。

1. 証明書の書き出し

最初に登録したMacでキーチェーンを開いて自分の証明書を表示します。

先ほど登録した証明書があると思うので、その証明書の三角アイコンをクリックします。

そうすると自分で付けた名前が見つかりますのでこれを右クリックし、「"【秘密鍵名】"を書き出す…」を選択します。

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そうすると保存場所等を聞かれます。名前、場所はとりあえず適当でOKです。フォーマットは「個人情報交換(.p12)」を選択してくだい。

保存するときにパスワードの設定を求められたり、管理者のパスワードを求められるので設定、入力して下さい。

これで書き出しは完了です。

2. 証明書の登録

ここからは別のMacでの作業となります。

先ほど書きだした証明書を別のMacに送って下さい。そして証明書をダブルクリックします。

そうするとキーチェーンが開いて以下の様な画面が出ます。そのまま追加をクリックします。

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その後、設定したパスワードの入力を求められるので設定します。

無事に登録されるとキーチェーンの自分の証明書のところにPhone Developerの証明書が追加されているかと思います。

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3. 実機への転送

Xcodeを開いてOrganizerを開いてみましょう。以下の様に、問題なくプロビジョニングファイルが読み込まれるはずです。問題なくStatuteが緑色になってますね。

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あとは同じ手順でXcodeから実行すればOKです。

まとめ

手順的には面倒くさいですが、一度やり方が分かってしまえば何てことはないです。ただし、しばらくするとすぐ忘れます。。。

リリース時の手順はやったことが無いので、機会があればまとめようかと思います。