Regional Scrum Gathering Tokyo 2019参加レポート
Regional Scrum Gathering Tokyo 2019に参加してきました。
昨年に続けて2度目の参加です。
去年の参加報告はこちらです。
参加したセッションで印象に残ったことと簡単な所感を書き残しておきます。資料が公開されているものはリンクを張っておきました。
※一部、私個人の解釈でメモしているものもあり、発表者の方の本来の意図とズレているものがあるかもしれませんがご了承下さい。
3日分まとめて書いたらなかなかの分量になってしまったので以下の目次から気になるものをピックアップしてご覧下さい。
Day1
Outcome Delivery: delivering what matters
資料 : なし
印象に残ったこと
- Whyがはっきりしていないと問題が生じる
- たくさんのフレームワークやプラクティスがある
- Deloit The Agile Landscape v3
- 全然シンプルじゃない...
- 私たちは本当に早くより多くの機能が欲しいのか?それても重要な成果が欲しいのか?
- メビウスループ
- Outcome Delivery | Outcomes over Outputs
- 発見とデリバリーのバランス
- 左側はデザイン思考的なループでWhyを求めるもの、右側のループはアジャイル思考的なループで素早く機能を作っていくループ
- すべてはバランス
- ディスカバリーバランス、オプションピボット、デリバリーループ
- Whyを定義し、オプション(手段)を選択し、デリバリーして計測して学ぶ、オプション(手段)を選択し...これを回す
- 選択するプラクティスは何でもよい、成果を出すのが大事
- オプション(手段)はやってみないと分からない → だからこと計測が大事
- 計測が我々の行動をドライブする
- 計測するのが難しくても計測できるような仕組みを時間をかけて作っていくのが大事
所感
最初に最高のコーヒーとは何か?最高のコーヒー体験とは何か?なぜコーヒーを朝飲んだのか?を突き詰めるワークショップを行ってWhyを掘り下げることを体感させてからのセッションだったので内容がすんなりと入ってきました。
プラクティスは確かにいろいろありますが、効果や使い方を理解して正しく使うことが大事だなと思いました。プラクティスをただやってみたいだけな人にはならないようにしないとですね。
今、目の前にある問題へ対応するために最善のプラクティスを選べるように引き出しは増やしたいものです。
Whyを意識して問題を正しく理解する、解決のためのプラクティスを選択する、実行して計測する。ダメなら別のプラクティスを選択〜とループを回していく。このサイクルを意識していきたいです。
また、問題を定義するときに使っていた、「Frame the Problem」のフォーマットは使ってみたいなと思いました。Problem、Context、Impact、Causeを書くフォーマットで問題がうまく整理されそうでした。
Coaching resilient Scrum teams
資料 : なし
印象に残ったこと
- Vodafoneでの大規模アジャイル導入的な話
- 変化には時間がかかる
- アジャイル推進組織を人事部の下においた
- 最初の1か月はつらかった
- Coaching Compass
- Resilience
- 弾力性のある、適応性のあるみたないこと
- これを実現するには精神的に安全な環境でなければならない
- これができるとfailファースト、実験的なことができるマインドセットがうまれる
- プラクティスMap
- 土壌を作る
- 最初から何か理想のモデルを与えるのではなく、自分たちから自分たちに合ったものが産まれるようにする
- 会社はエコシステム
- プロセスと文化によってできている
- 非公式なネットワークを作る
- インフォーマルなミーティングを大事にしている
- よいアイデアなどはたいていここからうまれる
- 組織は生き物
- アジャイルは組織からうまれる
- どのようにコミュニケーションするのかが大事
所感
Vodafoneでの組織的なアジャイル導入の話でした。
Coaching Compassで社内のチームをマッピングして、それにより対応方法を分けるという考えはなかなか面白かったです。今まさに全社規模でのアジャイルの普及的なことを少し考え始めているのでこうやってうまく社内のプロジェクトをマッピングして対応方法を分けて考えていくというのは使えそうだと思いました。
さらっとお話しされていましたがこれめちゃくちゃ大変で根気がいる取り組みだったろうなと感じました。組織という生き物とうまく向き合っていくための希望をもらった気がします。Resilienceな組織作りを意識していきたいですね。
行動分析学に基づくScrumの導入
資料 : 行動分析学に基づくScrumの導入
印象に残ったこと
- 行動分析学をもとにスクラムの習得さの困難さのヒントになれば的な話
- スクラムの習得が困難な理由
- It dependsだから(状況によるものが多いから)
- 個人、組織、プロダクト、プロダクトの状態はそれぞれ異なるから
- 状況を考慮して理想を探索する手法として行動分析学が使えるかも
- It dependsだから(状況によるものが多いから)
- 行動分析学とは
- 行動分析学を使ったスクラム
所感
スクラム関係なく、チームや組織をよくしていきたいと思っている人は行動分析学を学んだ方がよさそうだと強く思いました。きちんと学問になっているものはやっぱちゃんと抑えておかないとダメですね。行動分析学に関する本をひとまずいくつか読んでみようと思います。
ひとまずこれを買いました。
- 作者: 舞田竜宣,杉山尚子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/12/17
- メディア: 単行本
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ちゃんとやってるのになんかうまくいかないスクラムからの脱出
資料 : #RSGT2019 ちゃんとやってるのに なんかうまくいかないスクラム からの脱出 - Speaker Deck
印象に残ったこと
- ちゃんとやっているのになんかうまくいかない
- 増えるミーティング、終わらないタスク、ギクシャクする関係性
- このチームに対してやったこと
- エンジンに再点火
- レトロスペクティブが形骸化していたので感謝と対話を中心にした
- Webツールで事前に書いておくことをやめて付箋を使って本人の言葉で意見を出すように
- レトロスペクティブが形骸化していたので感謝と対話を中心にした
- 一本道
- 全員バラバラに動いていたのでタスクを一本に並べた
- 重要さに順位付け、アサインしない。個人の課題からチームの課題に
- 全員バラバラに動いていたのでタスクを一本に並べた
- パーティを組む
- 知識に隔たりがあるなどの理由からコードレビューにかかる時間が読めない
- モブワークして全員で取り組むように
- 知識に隔たりがあるなどの理由からコードレビューにかかる時間が読めない
- だったならつかってもいい
- 突発対応があると後半がくるしくなっていた
- 前回こうだったかた計画をつくる。突発があったことを前提に
- 突発対応があると後半がくるしくなっていた
- 立て看板
- スプリントの目標を立てることで現在地の共通認識をもつように
- ユーザー登録機能の実装完了、みたいにプロデューサーでも分かる名前にした
- スプリントの目標を立てることで現在地の共通認識をもつように
- 荷下ろし
- テックリードが1人で抱えすぎていたので大丈夫だよと伝えた
- できていないことを数えるのではなくできていることを一緒に数えた
- できるだけメンバーを頼るように
- テックリードが1人で抱えすぎていたので大丈夫だよと伝えた
- 3段階の地図
- エンジンに再点火
- 期待はスクラムと相性が悪い
- 期待と違う現実を見せてくれるのがスクラム
- 期待を土台にしていると現実から目をそらしてしまう
- スクラムを現実の上で回し始めた
- 現実を受け入れて乗り越えていくチームに
- 油断せずに変わり続ける現実を受け止め続ける
- スクラムと違う部分に注意が必要
- その部分にこれまでの経験(期待)が入り込みやすい
- ちゃんとやっているのになんかうまくいっていないのはよい状態
- ちゃんとやっているから、ちゃんと失敗して、ちゃんと悩んでいる
所感
当たり前のことを当たり前にやることの大切さとその難しさを改めて実感できるセッションでした。セオリーは分かっていてもいざやろうとすると難しくて心が折れそうになることが多々あります。それを1つずつ着実に適応していったんだなあ、すごいなあと思いました。
特に荷下ろしの部分はすぐにでも真似したいなと思いました。抱え込みすぎているメンバーのできていないことを数えるのではなくできていることを一緒に数えるというやつです。自分がこの対応してもらったら絶対嬉しいのでメンバーにもやってあげたいです。
超Scrum入門〜未完成フラクタルと15minSprint〜
資料 : 超Scrum入門〜未完成フラクタルと15minSprint〜 #RSGT2019 - Speaker Deck
印象に残ったこと
- 人間であることをやめる、人間だと思っているからうまくいかない
- 30minスプリントは簡単、15minでもできるのでは?
- 短時間スプリントはモブ/ペア/ソロの強制切り替えタイミング
- 生き生きとしたチームとは?
- うまくいったらどうなるの?
- シロアリの蟻塚には設計図はない、小さいルールだけで成り立っている
- 進化としての余地を残した未完成なフラクタルがもっとも強いのでは?
- まだ見つからない
- Krebs Cycle of Creativity
- Art、Design、Science、Engineering
- Neri Oxman’s Krebs Cycle of Creativity – MIT Spectrum
- 目的のない行動もあるから美しく生き生きしている
- 基盤チームはスプリントという目的だけをしていた
- フラクタルスプリント
- ビジネス目的のスプリントを3回やったら、非ビジネス目的のスプリントを1回やる、みたいな
- 自然な改善、自然なチームに
- 人間をやめようとしたはずが人間らしく生き生きしてきた
- 学生や新人はこういうことを最初からできる
- 玄人はUnlearnしなければならない
- 学生は1Dayスプリントを5日でできる、チームが習得するには180日かかった
- Unlearnする時間をそもそも短くするような組織作りが大事
- 生物の歴史をチームや組織で仕組み化する → これが行きついた何か
- 楽しくうまくできるまで突き詰めるのが大事
所感
自分では絶対にたどり着かない考えをいろいろと聞けて時間が一瞬で過ぎたセッションでした。きょんさんすごいなあ。
楽しくうまくできるまで突き詰めるという気持ちは他の何ものよりも大事にしていきたいです。楽しければつらいと感じることも少なく継続できますからね。
あと、Unlearnのところも印象に残りました。Unlearnしなければいけないことはやはりどうしても出てきてしまうものだと思います。
つまり、逃げることはできないものです。これを起きないようにするのではなく起きて必然のものと捉え、Unlearnする時間をそもそも短くするような組織作りする必要があると私は捉えました。
速くUnlearnできる組織って何?そういった組織になるため必要なことは何?ということを考えていきたいと思います。
Day2
Learning to Experiment
資料 : なし
印象に残ったこと
- 緊急事態や大事故が起こるまでプロセス改善などの変化が起きない
- 茹でガエルになってしまう
- なぜ緊急事態が起こるまでやらないのか?
- どうやって実験を学ぶか?
- 心理的安全性を確保するのが大事
- 失敗するリスクの高い実験こそが学習を最大化する
- 実験が成功すると思い込むような状況になってはいけない
- 実験が必ず上手くいくと思い込む人がいるが、そうではない。実験が失敗せず成功ばかりの場合、自己満足に陥っている可能性がある
- レトロスペクティブ
- 反復するループができる
- 継続的な改善のプロセス
- マイクロレトロスペクティブを45分に1回やるチームもある
- モブプログラミングの始まり
- 助けて下さいのひと言から始まった
- フラットな組織構造
- マネージャーがいない
- 階層構造の問題無くコミュニケーションができるように
- 悪い習慣を取り除くには?
- この仕組みを見つけることが大事
- 始めるよりやめることの方が難しい
- 目標に対する反復実験
- 想定外の実験
- 4人のプロダクトオーナーの話
- いつも一緒、1日1回は顔を出す、週に1回は顔を出す、月に1回は顔を出す
- ミーティングにかける時間数を出した
- 1か月に1回のPOのチームはミーティングの時間が長かった
- POが来ないからメンバーで議論する時間が多くなった
- 1か月に1回のPOのチームはミーティングの時間が長かった
- サティアの変化モデルは無視される
- 4人のプロダクトオーナーの話
- ビジネス全体のレトロスペクティブ
- 隣の芝生は青くみえるだけ
- 大きな変化をいきなりやらないように小さくやる
- 自己満足に陥らないようにする
- 全員参加と共同責任
- 手柄を皆で分ける
- 同僚が手柄を盗まないという信頼感が大事
- イノベーション普及理論
- やさしさ、気遣い、尊敬
- これをグランドルールとした
- Vulnerability、Trust、Appreciation
- コードと本番の間に人を入れない
- 誰でもいつでも休暇を取れる状況は心理的安全性が高いと言える
- 開発者がコミュニケーション能力を高めるのは意味がある
- それにより避けられる問題も多々ある
- 見積もりをやめる
所感
実験を繰り返そう!を強く訴え、それが組織にとってどう影響を与えるかというセッションでした。正直内容盛りだくさんでちょっと消化不良気味になりました...
ということで、上記の印象に残ったことはぶっちゃけ取ったメモを整形せずほぼそのまま貼り付けていますw キーワードだけでも後で振り返れると思うので。
とはいえ、学びが非常に多かったです。
何かを試すときは上手くいくと思い込む人が出てくるというのは確かになあと。失敗することもあるから実験なわけで、毎回うまくいっているならそれは単なる自己満足であると。おっしゃるとおりでございます。これは陥りがちなので注意していきたいです。
見積もりが必要ないという話は衝撃的でしたが、結局は見積もりがなくてもうまく回るような組織作りが実験を繰り返すことでできたからこそなんでしょうね。それなしにいきなり見積もりなしはうまくいかないと思うので、「よし、うちも次から見積もりなしでいくぞ!」なんて間違っても思ってはいけないと思います。
手柄を皆で分け同僚が手柄を盗まないという信頼感があるチームというのはどう考えても強いチームなのでこういう状態にするにはどうしたらよいかを考え続けていきたいです。これがないと実験を繰り返しても効果が出ないことになってしまうと思いますので。
Effective Retrospective / とにかく楽しいふりかえり
資料 : Effective Retrospective とにかく楽しいふりかえり - Speaker Deck
印象に残ったこと
- 振り返りは楽しく感じると効果的と感じやすい
- 今日は振り返りのWhy、Whatを中心に話す。Howはうまくいけば何でもよいと考えている
- ふりかえりとは
- 前向きな活動
- 楽しい気持ちの方がよいアイデアがでる
- ふりかえりの3ステップ
- 立ち止まる
- 走り続けると視野が狭くなる、そのために立ち止まって視野を広げる
- みんなで立ち止まる必要がある
- 忙しいからふりかえりをスキップしようってなったら立ち止まることの意義をちゃんと伝える
- チームを成長させる
- プロセスの改善
- 失敗は繰り返さないように、成功を何度も続けられるように
- 改善・・・問題点を直す
- カイゼン・・・問題がなかったとしても仕事のやり方を継続的によくしていく
- 問題をすべて解消する必要は無い
- コアの問題を探す
- 関係の質が高まっていれば問題を共有するだけでコミュニケーションにより解決することも
- 自己承認と他己承認
- 自己承認がうまくなると他己承認につながる
- 他己承認しあうのは正のループ
- 立ち止まる
- 楽しいふりかえりを構成する3つの要素
所感
ふりかえりに必要なことが網羅的にまとめて説明されていてとても学びのあるセッションでした。ふりかえりを行う前にこの資料は定期的に読み直したいです。
そしてプレゼンがめちゃくちゃうまいと思いました。話す速度、ふるまいなど場づくりってこうやるんだなあというのがプレゼンする姿からも学べました。
説明されていたことをいろいろ実践していくのはもちろんのこと、ふりかえり時の自分の振る舞いも意識するようにしていくようにしようと思います。楽しい気持ちでふりかえりしたいのに、ファシリテーターが楽しくなさそうなのでは元も子もないですからね。あとは議論と対話の違いは意識していきたいです。
全部SCRUM!~SIerで大切だったもの、サービサーで大切だったもの~
資料 : [RSGT2019]全部スクラム!~SIerで大切だったこと、サービサーで大切だったこと~
印象に残ったこと
- SIerでのスクラム
- サービサーでのScrum
- よかったこと
- 自分たちで決めたから施策がみんなのものになった
- 価値駆動ベース、攻めのScrum
- よかったこと
- SIerでもScrumはできる
- SIerじゃできないというのはウソ
- ただし、攻めのScrumではなく守りのScrumになる
- Scrumの適用はものづくり部分だけといった限定的なものではない
所感
SIerとサービサー、両方とも実際に経験した話をベースに話されていて興味深かったです。
SIerだからScrumは難しい、できないと決めつけるのは本当に良くないことだなあと思いました。それこそ思考停止です。
できる範囲の中で、守りのScrumという定義をしてしっかり道を切り開いていくという考えはとても参考になりました。
そのときサーバントリーダーはどう振る舞うか
資料 : そのときサーバントリーダーはどう振る舞うか - Speaker Deck
印象に残ったこと
- サーバントリーダーシップの実践を始めるまでにやったこと
- いろいろ本を読んだ
- 印象に残ったフレーズと自身のふりかえり
- あなたは何をしようとしているのですか?
- 何の組織?に答えられない
- 耳を澄まし、理解すること
- 立場を越えた本音を聞けている気がしない
- 信頼し、信頼されること
- 信頼が伝わっているか分からない
- 信頼されているだけのアウトプットを見せられているのか?
- 会社組織の上下はしたがうものの信任で得られるわけでは無い
- なぜ自分が部長の立場を受けたか伝えていない、自分でも整理できていない
- あなたは何をしようとしているのですか?
- 読みながら何が大事か書き出すのが大事
- 正直に自分を分析するのが大事
- やってみたこと
- ビジョンづくりと提示
- 感謝を言葉に
- 日本人は言葉で言わない人が多い
- ちょっといいですか?をいいやすく
- トラブル解決と社内調整を率先する
- 理解と信頼
- 傾聴、共感、癒やし、納得
- 繰り返して関係性の深度を高めること
- ビジョン作成のポイント
- 概念化、先見力
- 言いたいことを並べるのではない、分かりやすくて過去から未来を導くものを
- やってみたV2(繰り返し、繰り返し以下を行った)
- ビジョンを分かりやすく
- 挨拶と雑談は自分から
- やりたいことの把握と後押し
- わかりやすいKPIで握る、こまめに報告する
- トラブル解決と社内調整に同席してもらう
- 変わってきたこと
- 上司
- 心配が減り細かいことを言わないようになった
- 上司が期待する組織のイメージを共有できた
- 配下のマネージャー
- 1on1などでメンバーの話が増えた
- 成長したいポイントを理解できるようになった
- メンバー
- プロジェクトの目的と結果、成果を語れるように
- あいさつが増えた、個人的な話の報告も増えた
- 全体的に安心感がお互いに生まれた
- 上司
- 組織成果
- トラブル削減
- リリース数が増加
- 採用数が増加
- 成果をチームで出してくれるようになった、帰属意識が高まった、組織を考えて動いてくれるようになった
- 課題
- 主体性をどうしても持てないメンバーがまだいる
- さらに会話をする
- 組織の色がでて、合う、合わないが出てきてしまう
- 大きな問題では無い、合わない人が自分の意思で出て行くのはよいこと
- 主体性をどうしても持てないメンバーがまだいる
- 思いはシンプル、ブレないことを繰り返す
- ふりかえるとただの人間関係構築の話でしかない
所感
サーバントリーダーとは何か?という話はとてもよく見ますが、実践した経験とそこから出た課題を聞くのは初めてだったのでとても参考になりました。
実際に、帰属意識が高まって組織を考えて動いてくれるメンバーが増えたなどの成果に繋がっているようで本当に素晴らしいです。
あと印象に残ったのは組織に色が出てくるとどうしても合わない人もでてきてしまうという話です。これを問題と捉えずに、合わない人が出てくるのはしょうがないことだと考える発想はなるほどなと思いました。
合わない人が出るとどうやって馴染んでもらおうと考え胃が痛くなる経験をしたことがあるのでかなりはっとさせられました。
確かにそういう人に無理に順応してもらうより、自分で今の組織には合わないと悟ってもらってより活躍できる場所を探す方が本人の為になりますからね。
学習する/Unlearnするチームへ ー 新卒研修とスクラムとモブプログラミング ー
資料 : 学習する/Unlearnするチームへ #RSGT2019 / Learning and Unlearning Team - Speaker Deck
印象に残ったこと
- 2018年から楽天ではエンジニア以外もプログラミング研修必須になった
- 研修を受けた彼らの成長の加速度から何を学ぶべきか
- 研修
- リアルプロダクト開発
- 実際に事業が抱えている課題を解決する
- リアルチーム開発
- チームで方針を決める
- 最低限のルールは存在するが自分たちで仕事をハックする
- レトロスペクティブツアーを実施
- 他のチームのふりかえりを聞きに行く
- 学習する機会を多くする
- リアルプロダクト開発
- 配属されてからも研修で作ったアプリのバージョンアップを続けた
- なぜなら楽しかったから
- それを通して色々なことが学べた
- Yattah KPI
- 小さな課題達成をチームで共有、課題達成したらやったーと言い合う
- チームとしての連帯感が生まれた
- 簡単なコミュニケーションでもチームの雰囲気が改善する
- プラクティスを当たり前に使いこなし、動くプロダクトをつくりあげた
- ビジネスメンバーに驚きと感動を与えた、想像を遙かに上回るものだった
- 学習するUnlearn
- 学習棄却、学習を捨てる
- 学びほぐし
- Learn → Unlearn → Relearn
- 新人はUnlearnを高速に回していた
- 経験していないという強み
- 経験がないのは弱みでは無くて強みという考え
- 積み上げたものが邪魔をする
- メンタルモデル
- 新しいインプット→とりあえずやってみよう
- うまくいかなかった→変えてみよう、捨てるものが小さい
- 学習を積み重ねることで成長は鈍化するという事実
- Unlearnしても忘れるわけでは無い、前よりも早くきれいに積むことができる
- 戦略的にUnlearnする
- KPTにUnlearnの項目を加えるなど
- 積み重ねていく活動とUnlearnする活動は別のサイクルで回す
- 俺たちを越えていけという研修だった
所感
ハッとさせられることだらけだし、楽天の新人の皆さんの成長速度すごいしものすごいセッションでした。
新人研修ってどうしても決まったルールでやって、ありきたりなものになってしまうんですよね。それはつまり新人を子供扱いしていることが原因だと思います。新人だから色々決めてあげないといけないとできないとかそういう理由を付けて。そういうことをしないで新人に全面的に任せるスタイルの研修を実施し、そこから得た知見が存分に語られていました。
「配属されてからも研修で作ったアプリのバージョンアップを続けた、なぜなら楽しかったから」って発言すごくないですか?こういう気持ちを持てる新人研修なんて最高過ぎませんか?
で、ポイントはUnlearn。経験が色々と邪魔をするのはほんとそのとおりだと思いますが、積み上げた経験が役にたつことも多々あります。要はこれもOutcome Deliveryの話であったようにバランスの話なのかなと個人的には感じました。
Unlearnする機会を定期的に設け、捨てるもの、学びほぐす必要があるものをきちんと認識、分類できるようにするということを意識しないといけないのかなと。つまり、積み上げた経験をそのまま適用した方がよいものとUnlearnした方がよいものを正しく判断するということです。
そしてきょんさんの話にもあったようにUnlearnすべきものがあったらそれを素早く回すことができるようにするのが目指すべきことだと感じました。
いやーしかし本当に最高のセッションでした。パシフィック・リムを初めて見たときのような興奮がしばらく続きました。
Day3
OST(Open Space Technology)
去年は家庭都合により参加できなかったので初参加です。OSTについては以下をみるとどんなものか把握できます。色々な立場やバックグラウンドの方といろいろな意見ができてとても刺激的でした。
心理的安全性あるとき~ないとき~
会議で上司が何もしゃべらないとき、なんかテンションが低いなどいくつか心理的安全性がないなーと感じる場面について議論がありました。
しゃべらない上司にはあえて「どう思いますか?」みたいな質問しちゃうのはどうですか?という意見を出しましたが、その発言をするための心理的安全性がそもそもない!となり「確かにそうだよねー」みたいな話をしました。
一番掘り下げたディスカッションが起きたのはスクラムが失敗し続けていると指摘されたときという話題でした。上司はスクラムの成功体験はあるのか?何と比べて失敗していると言っているのか?などなどいろいろな意見が飛び交いました。残業が常態化しているという話にも繋がってとても面白かったです。
関西の方なら必ず知っているという「あるとき~ないとき~」の元ネタ知らなくてすんませんでした。
業務委託さんにプロダクト思考を持ってもらうには?
大きく分けて契約によるもの、愛着や主体性によるもの、マインドによるものという観点で色々な意見交換をしました。業務委託する側、される側どちらの意見も出たことでよいディスカッションができたと思います。
愛着や主体性、マインドなんかもよくよく考えると全部契約に起因するんじゃないかと個人的には思いました。契約条件やNDAになんかうまいこと書いて業務委託する側もされる側も対等な関係作りができるようなハックがないか考えたいなと思いました。
よなよなエール流 熱狂を生むチームづくり ~8年連続赤字から13年連続増収増益までの軌跡~
資料 : なし
印象に残ったこと
- どん底を見て思った
- ファンや残った社員を見捨てることはできない
- この会社に人生をかける決意
- 差別化戦略〜プロモーション〜
- 戦略
- 超宴
- やると赤字、しかし参加者は盛り上がる
- 短期の売り上げを捨てて、そのときのお客さんの熱狂をとるというトレードオフ
- 最初は少人数でやって小さな経験を積み上げる
- 中長期的に見れば参加してくれた人はきっとファンになって売り上げにつながるだろうという考え
- 突き抜けた個性は賛否両論を生み出し熱狂的ファンを生む
- チーム作りの話
- 一見売り上げに繋がらないような取り組みは顧客の心に入りやすい
- 最初から売ろうと思っていない、顧客に楽しんでもらおうと思っている
- 後から売り上げがついてくる
- この勇気をもてるか?
- 変わり者でもよい
所感
RSGT 2019の最後にふさわしいセッションでした。アツかった。
会社が楽しい、社員が楽しんでいるという状態をここまで社長自らが表している企業が他にあるでしょうか。
トレードオフの話がとても刺さりました。極端なトレードオフを選択し続けるということが果たして自分にできるだろうか?一報の選択を捨て続けることが果たしてできるだろうか?これは今年の自分のテーマの1つとして考え続けていきたいです。
チームの作り方も全員を無理矢理引きずり込むのではなく、熱意のある人から広げ徐々に浸透させていくという方法も素敵でした。当たり前といえば当たり前なのですがやはり成功の裏にはこういうった当たり前のことを地道に続けるしか無いということを再認識できました。
本当に力をもらえるセッションでした。
ちなみに、ヤッホーブルーイング再生の話はこの本に詳しく書いてあるそうですのでぜひ。
- 作者: 井手直行
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- 発売日: 2016/04/08
- メディア: 単行本
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全体所感
去年に引き続いての参加ですが相変わらず最高のイベントでした。参加することで1年頑張れる力がもらえます。そういう意味でも年明けすぐにあるのは最高ですね。
誰とでも気軽に話せて意見交換できる雰囲気のイベントって本当になかなかないので普通のイベントの何十倍も学びがあります。その分、疲労もハンパないですが...もちろんよい意味での疲労です。
この雰囲気を作れる運営の皆様は本当にすごいと思います。
学びがたくさんありましたがその中でも今年は以下を意識していきたいと思います。この辺りの経験で何か得たらどこかで還元したいですね。
- 計測は大事、必ず計測できる方法を考える
- 何をやるにも心理的安全性は大前提
- つまり組織の成功循環モデルでいう、関係の質を高めることがとても重要
- 実験を繰り返すのは大事、それができる状態をいかにつくるか考える
- Unlearnすべきもの、積み重ねた経験を活かした方がよいものを判断できるようになる
- UnlearnするときはUnlearnする速度を上げられる状態を作れるようにする
- 当たり前を当たり前に地道に繰り返す、続ける
運営の皆様、発表者の皆様、参加者の皆様、本当にありがとうございました!来年も参加します!